米国では「ごく普通の人が401(k)などの制度を利用して大きな資産を築く」ことがあり、投資に関する書籍や新聞等で多くの事例が紹介されています。
なお、401(k)とは日本のDC制度のような確定拠出型の退職給付制度です。
例えば、7月のウォールストリートジャーナルの記事では、コストコのキャッシャー(レジ係)の男性が積立投資で100万ドル(約1億5千万円)を達成したという事例が紹介されていました。
この記事のポイントを箇条書きにしてみます。
・トニー・バーザー(Tony Barzar)氏は現在60歳、コストコ(Costco)のレジ係を務めている。
・1986年にコストコの前身であるプライスクラブ(Price Club)という会社に入社した。入社当時の時給は5.85ドルだった。
・それ以来コストコに勤めており、現在の時給は約32.90ドルである。
・バーザー氏の401(k)の残高はすでに100万ドルを超えている。
・2009年には寝室3つ・バスルーム2つ・プール付きの家を購入した。また、過去10年間で2回ヨーロッパに家族で旅行した。
いかがですか。
金融資産が1億5千万を超えており、プール付きの大きな家(日本の感覚では大豪邸)を持っている大金持ちの方ですが、職業はコストコのレジ係です。
日本人にとっては夢のようなことですが、これを可能にするのが長期積立投資です。
バーザーさんもコストコに入社してから、会社の制度を利用して積立投資を開始しました。
毎月の投資額は不明ですが、積立投資の効果で大きな家や海外旅行、そして老後生活には十分と思える金融資産を実現したことになります。
ここで100万ドルを40年間で積み立てるための毎月の必要投資額を計算してみましょう。
S&P500のインデックスデータを利用してエクセルで試算したところ、毎月の必要投資額は138.37ドルとなりました。
グラフで確認してみます。
1986年1月から40年間毎月138.37ドルをS&P500に投資した場合の積立額推移

グラフをみると一目瞭然ですが、100万ドルのうち元本累計が占める割合は10%以下で、ほとんどを資産運用収益が占めています(正確に言うと元本累計が66,419ドル、運用収益分が933,581ドルになります)。
100万ドルの資産のうち運用収益分が93%を占めるということで、これこそが長期積立投資の威力と言えますね。
冒頭でご紹介したトニー・バーザーさんは、100万ドルの金融資産に加えて大きな家も購入しました。
上記のグラフは40年間を一定の積立額としていますが、給与上昇に応じて積立額を増やせば100万ドルを超える資産形成が可能になります。
そのような投資を適切に行った結果、バーザーさんは家を買うのにも十分な資産形成ができたのだろうと考えられます。