最近は中小企業の人手不足感がますます強まっています。
下のグラフは業種別の「人員の過不足状況」についてのアンケート結果ですが、やはり「建設・運輸・情報通信などの人手不足感が特に強い」ことがわかります。
中小企業における人員の過不足状況(業種別)
このような状況にありますので、最近は人手不足対策に関するご相談が増えてきました。
特に、「採用がうまくいかない」というご相談が多くなっています。
人手不足への対応策
人手不足への対策としては、何と言っても採用が中心になります(上のグラフ参照)。
しかし、「なかなか上手くいかない」と悩んでいらっしゃる企業が、やっぱり多いようですね。
2015年版中小企業白書では、この問題について興味深い分析をしているので、ここでご紹介してみます。
人材が確保できている企業とできていない企業の特徴
上のグラフは、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の特徴を見たものです。
折れ線グラフ(右軸)を見ると、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」ともに「仕事のやりがい」、「職場環境への配慮」等が高い数値を示しています。
しかし、これらの項目については、「確保できている企業」と「確保できていない企業」で大きな違いは見られません。
次に、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の特徴の差分を棒グラフ(左軸)から見ると、「人材確保のためのノウハウ・手段」や「労働条件」、「賃金」が高い数値を示しています。
この結果から、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の違いとして、一般に言われている労働条件や賃金に加えて、企業としての採用力ともいうべき、人材確保の手段・ノウハウにおいて強みを持っていることが考えられます。
したがって、人材確保に課題を抱える企業では、まずは基本的な採用のノウハウを身に付けることが求められていると言えます。
採用に関するノウハウを吸収するためには、採用力向上セミナー等への参加が有効だと思います。
私はバブルの頃に、ある生保会社の人事部に在籍していました。
本来の担当は人事企画でしたが、採用の時期には当然ながら手伝いをします。
そのため、人事部に出社した初日に言い渡されたことは、「面接官養成セミナー」に参加することでした。
高額のセミナーで内容もハードでしたが、後になって振り返ってみると随分と有益なセミナーでした。
採用力向上セミナーには民間機関が行っている有料のものと、公的な機関が行っている無料のものがあります。
中小企業などで採用を担当されている方には、そのようなセミナーに一度は参加してみることをお勧めします。