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中小企業の人手不足対策 ~ 採用に成功している企業の特徴

最近は中小企業の人手不足感がますます強まっています。
下のグラフは業種別の「人員の過不足状況」についてのアンケート結果ですが、やはり「建設・運輸・情報通信などの人手不足感が特に強い」ことがわかります。

中小企業における人員の過不足状況(業種別)

(出所)東京商工会議所「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果」(2023.12.13)

このような状況にありますので、最近は人手不足対策に関するご相談が増えてきました。
特に、「採用がうまくいかない」というご相談が多くなっています。

人手不足への対応策

(出所)東京商工会議所「中小企業の経営課題に関するアンケート」調査結果」(2023.12.13)

人手不足への対策としては、何と言っても採用が中心になります(上のグラフ参照)。
しかし、「なかなか上手くいかない」と悩んでいらっしゃる企業が、やっぱり多いようですね。
2015年版中小企業白書では、この問題について興味深い分析をしているので、ここでご紹介してみます。

人材が確保できている企業とできていない企業の特徴

(出所)中小企業庁「2015年版中小企業白書」

上のグラフは、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の特徴を見たものです。

折れ線グラフ(右軸)を見ると、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」ともに「仕事のやりがい」、「職場環境への配慮」等が高い数値を示しています。
しかし、これらの項目については、「確保できている企業」と「確保できていない企業」で大きな違いは見られません。

次に、「人材が確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の特徴の差分を棒グラフ(左軸)から見ると、「人材確保のためのノウハウ・手段」や「労働条件」、「賃金」が高い数値を示しています。

採用に関するノウハウを吸収するためには、採用力向上セミナー等への参加が有効だと思います。

私はバブルの頃に、ある生保会社の人事部に在籍していました。
本来の担当は人事企画でしたが、採用の時期には当然ながら手伝いをします。
そのため、人事部に出社した初日に言い渡されたことは、「面接官養成セミナー」に参加することでした。
高額のセミナーで内容もハードでしたが、後になって振り返ってみると随分と有益なセミナーでした。

採用力向上セミナーには民間機関が行っている有料のものと、公的な機関が行っている無料のものがあります。
中小企業などで採用を担当されている方には、そのようなセミナーに一度は参加してみることをお勧めします。