東京労働局のHPによると、今年は業務改善助成金の申請が急増中とのことです。
「申請から決定までに少なくとも2か月以上を要している」とのことです。
去年までであれば、申請から決定までは約1か月程度でしたから、単純に考えれば「少なくとも昨年の2倍以上の申請が殺到している」ものと思われます。
同じように大阪労働局でも「現在、交付決定までにたいへん時間を要している状況」と、注意を発信しています。
業務改善助成金とは簡単に言えば、「事業所の賃金引上げをしたうえで、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、設備投資費用の一部を助成する」というものです。
助成割合は賃金の引き上げ幅と対象従業員数、および事業場内の最低賃金額で決まってきます。
報道されているように、今年は近年にないほどの大幅なベースアップが行われ、定昇を含めると平均で5%を超える賃上げが行われました。
これは33年ぶりの大幅な引き上げです。
また、最低賃金の引き上げ幅が全国平均で50円と答申されています。
各都道府県の引き上げ幅についても続々と報道されていますが、人手不足の環境では隣県を睨んだ競争力のある引上げが必要になっているようです。
このような環境下では、中小企業においても、賃金引上げが人材確保の観点から必須になっています。
中小企業の経営者であれば、その財源として助成金や補助金の活用を検討するのは、当然でしょう。
業務改善助成金の申請が労働局に殺到しているのは、このような背景があるはずだと考えます。
実際、私に対しても、中小企業からの照会が増えています。
業務改善助成金の制度については、厚労省のリーフレットで説明されていますが、残念ながら厚労省の資料はどれも非常に分かり難いですね。
そのため、社会保険労務士への照会が増えているようです。
7月には縫製業者の団体から、業務改善助成金についての勉強会を依頼されました。
厚労省のリーフレット等を参考にして、特に重要なポイントを整理したパワポ資料を用意し、講師を務めました。
参加者の皆さんにも大いに関心をもっていただいたようで、「これを申請しないのは馬鹿だな」という感想をお持ちになった中小企業経営者が多かったと思います。
資料はダウンロードができるようにしておきますので、関心のある方は、是非ともご覧ください。
今日から何回かにわけて、業務改善助成金に関する解説記事を書いてみます。
なるべく皆さんのお役にたつような、わかりやすい記事を心がける積りです。