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選択的週休3日制について

先日、ある外資系企業の人事部にお勤めの方から照会を頂きました。
『アメリカの本社から、「日本では週休3日制が義務になると聞いたが、わが社は対応しなくてよいのか?」と訊かれた。すぐには答えられなかった。何を見ればよいのか?』という質問です。

労働基準法では週に1日の休日が義務付けられていますが、週休3日制は義務ではありません。
ただ、国の方針として「選択的週休3日制の導入促進」は、2021年から掲げられています。
具体的には、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」で、この方針が示されています。

以前から骨太の方針では「ジョブ型雇用への転換や兼業・副業、リカレント教育」などを課題として取り上げていました。
2021年版の骨太の方針では、それらに加えて「選択的週休3日制の導入促進」が課題とされています。

日本語版のp.23において「選択的週休3日制度について、育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促し、普及を図る」と述べています。

また、英語版のp.27では、以下のように「選択的週4日労働日システム」という表現で、延べられています。
“The Government will encourage private companies to introduce and disseminate the selective four-day workweek system by collecting and providing good examples, as it can be used for childcare, long-term care, volunteer work, and side jobs in local areas.”

ちなみに骨太の方針2024でも、p.8で課題として指摘されています。
また、英語版では、p.13で取り上げています。

このように、政府の方針としては「選択的週休3日制の導入を促進」が、掲げられていますが、実際にはどうでしょうか?

少なくとも私がお付き合いのある会社では、導入しているところはありません。
時々日経などで事例が報道されていますが、逆に言えば「(週休3日制の導入)は、ニュースになるほど珍しいこと」だと言えそうです。

また、ヨーロッパでは「過度の時短労働が経済を弱めた」という懐疑論も出ているようです。
週休3日制の普及にはまだまだ時間がかかるのではと思いますね。

なお、厚労省では特設サイトを設けています。
事例なども紹介されていますので、参考になるかと思います。